ブランドEC成長を加速させる「140のチェック項目解説」⑦品揃え

ブランドEC ECマーケティング

本コラムでは、株式会社久のブランドEC成長支援室が開発・整理した、ECビジネスの変革と成長を実現するための『5つの戦略と7つの戦術』フレームワークに基づき、チェック項目の活用ポイントを解説しています。

7回目は、戦術項目【実行フェーズ】の「品揃え」のチェック項目の活用ポイントになります。

ECサイトの品揃えにおいて重要なのは、「すべての商品に明確な役割を持たせること」です。ただ商品数が多いだけでは顧客が迷う原因になります。3か月〜1年で成果を出すために、自社の商品ラインナップを役割別に再構築するチェック項目として活用ください。


【戦術】⑦品揃え

戦術項目【実行フェーズ】の中で優先度・重要度が高い「品揃え」のチェック項目の活用ポイントになります。

【MDの現状把握とベース設計】を確認する項目として

64. 競合と自社のECサイトにおけるジャンル別×価格帯別の品揃表を持っているか

65. ヒーローアイテム(売上&利益に貢献するダントツ商品)を持っているか

66. ヒーローアイテム・2回目購入アイテムの販売計画に沿った在庫を確保できているか

67. 重点販売商品の適正在庫と在庫回転率を設定できているか

64〜67の項目は「戦うための陣形チェック」です。

まずは競合との比較において、自社の品揃えの強みと弱みを客観的に把握します。その上で、売上と利益の柱となる「ヒーローアイテム(大黒柱商品)」を明確にし、その在庫を絶対に切らさない体制を作ることが最優先です。売れるのに在庫がないという機会損失を防ぐため、在庫回転率などの指標管理もセットで行います。

【顧客の行動フェーズに応じた役割別アイテム】を確認する項目として

68. 新規顧客獲得を想定したアイテムを持っているか

69. 競合からスイッチさせるアイテム(シェア獲得アイテム)を持っているか

70. 2回目購入アイテム(引き上げアイテム)を持っているか

71. サブスク・定期購入・リピートアイテムを持っているか

72. 併売商品・購入単価アップアイテムを持っているか

73. おまけ用・無料サンプル用のアイテムを持っているか

68〜73の項目は「顧客育成のシナリオ」です。

商品はそれぞれ「新規獲得用」「リピート(引き上げ)用」「客単価アップ(ついで買い)用」といった役割を担います。例えば、新規向けフック商品から、2回目購入を促す引き上げアイテム、そして定期購入への動線が商品ラインナップとして繋がっているか。この「バトンリレー」がつながる品揃えになっているかを確認します。

【フック・バリエーションと時流対応】を確認する項目として

74. 価格で優位性があるアイテム(アウトレット商材含め)を持っているか

75. プレミアムアイテム(高価格帯・フラッグシップ・見せ筋)を持っているか

76. 季節限定・期間限定アイテムを持っているか(EC独自の商品含め)

77. 地域・著名人・キャラクターとのコラボアイテムを持っているか

78. ギフト専用アイテムを持っているか

79. デジタルギフト・ソーシャルギフト対応ができているか

80. SNS中心に共感・シェアされやすいアイテムを持っているか

81. 男女共通で使えるアイテム(家庭内共有アイテム)を持っているか

82. エシカル系・サステナビリティを意識したアイテムを持っているか

74〜82の項目は「サイトの鮮度と市場のトレンド対応」です。

価格の幅(見せ筋と買い筋)を作るだけでなく、限定品やコラボ、SNSでのシェアを狙った「話題性のある商品」を定期的に投入することで、サイトの鮮度を保ちます。また、近年のトレンドである「ソーシャルギフト」や「サステナビリティ(エシカル)」に対応した商品を用意することは、新たな顧客層を開拓する強力な武器になります。

以上が「品揃え」の解説となります。

自社の商品一覧を見たときに、「これは新規獲得のための商品」「これはリピートしてもらうための商品」と、全スタッフが即座に答えられる状態が理想です。

売るための商品が、発売順・在庫がある順に並んでいるだけにならないように、 ぜひ、このチェックリストを使って、自社の商品一品一品に「役割」を決めていただくことで、成長の中心となる「EC独自の品揃え」となり、売上とファンが増える循環に貢献することになります。

■筆者プロフィール
株式会社 久(きゅう)
ブランドEC成長支援室 室長 兼 EC経営コンサルタント
立川 哲夫(たつかわ てつお)

ECマーケティング×企業経営に精通したスペシャリスト
リテール業界に10年従事後、15年以上にわたるECビジネス推進およびECマーケティング支援経験を持つコンサルタント。多様な業界・企業規模における経営課題を整理し、ビジネスモデルの構築、戦略立案、実行支援に携わる。特に、EC・O2O・デジタルマーケティング領域での専門性が高く、EC事業を起点にして企業のビジネス拡大を実現。

大手EC総合支援企業において、10年以上にわたり経営幹部として新規事業開発や事業拡大に従事し、企業のブランディングやマーケティング統括を担当。執行役員として東証グロース市場への上場も経験。その後、外資系コンサルティングファームにてECビジネスの変革支援にも関わり、企業変革期における業務推進や社内体制整備、人材育成にも関与し、総合的な経営支援スキルを磨く。5冊のECマーケティング関連書籍の執筆・編集に関わり、EC事業戦略・売上アップの法則を凝縮し、知見の普及にも貢献。 その他、日経主催の講演会・ECセミナー講師、日経クロストレンド・月刊ネット販売・日本ネット経済新聞などへの寄稿実績も多数。